研究者名
研究概要
本研究は、島嶼型狩猟採集文化がいかにして形成され、それがなぜ1万年間以上の長期にわたって継続可能であったのかを解明する。この目的を達成するため、考古遺物の分析による島嶼型狩猟採集文化の復元、貝類の同位体分析による古気候変動の復元、現生および古代動植物サンプルのゲノム分析による動植物の家畜・栽培化プロセスの復元をおこなう。この文理融合型の学際研究により、先史時代に資源が限定的であった小さな島々において、人類がいかにして更新世末から完新世にかけての急激な気候変動に適応し、動植物と共生する生存戦略を確立したのかを解明する。本研究は、過去の人類史復元に寄与するだけでなく、限定的な資源環境下における持続可能な生活スタイルを未来に向けて発信することを目指す。
研究成果
【2022年度】
【2021年度】
【2020年度】
【2019年度】
1.遺跡データベースの構築と分析手法の改善
実験試料の使用痕跡を三次元復元し、考古遺物の機能を同定する方法を改善した。
2.海棲生物骨格・殻の化学組成・同位体組成から,過去の表面海水温および海棲生物の採取時期の特定
シャコガイの一種であるヒレジャコの殻の酸素同位体比ー海水温の関係式を導出した。
3.次世代DNA分析技術の改良:動植物の家畜・栽培化プロセスの復元を目指して
次世代DNA分析技術であるMIG-seq法を、より簡便で高精度な方法に改良した。
プレスリリース
2023.07.20:宮古島の固有種の故郷は消えた島だった? 地質学と生物学の融合研究が描き出した新たな琉球列島の形成史と生物進化
2021.11.10:最終氷期の沖縄はどのくらい寒かったのか? 〜貝化石と鍾乳石による新しい地質考古学的手法からの復元〜