【プレスリリース】家庭での尿検査を可能にする新技術 ―クレアチニン補正を実現する 簡易・高感度バイオセンサを開発―
阿部プロジェクトに関連する研究成果がプレスリリースされました。
【本学研究者情報】
〇大学院工学研究科機械機能創成専攻 教授 小野崇人
【発表のポイント】
- 尿中バイオマーカー(注1)の正確な評価に不可欠なクレアチニン補正(注2)を在宅で実現するための新しい測定技術を提案しました。
- 参照電極(注3)を必要としない二電極構造を採用し、在宅利用に適したシンプルで小型・低コストなセンサ構造を実現しました。
- 白金ナノ粒子(注4)と酵素からなる電気抵抗体の抵抗変化で計測する抵抗変化型センサ(ケミレジスタ型バイオセンサ(注5))により、簡易かつ高感度なクレアチニン測定が可能であることを実証しました。
- 本技術は、在宅健康モニタリングや予防医療など、幅広い健康指標への応用が期待されます。
【用語解説】
注1. バイオマーカー
体内の状態や疾患リスクを反映する指標となる物質。尿や血液中に含まれる成分を測定することで、健康状態や病気の兆候を把握できる。
注2. クレアチニン補正
クレアチニンは、筋肉の代謝により体内で生成され、尿中に排出される物質。尿検査では、尿の希釈や濃縮の影響を補正する基準物質として広く用いられている。クレアチニン補正は、尿中バイオマーカーの濃度を、同時に測定したクレアチニン濃度で補正する方法。水分摂取量や個人差による尿濃度のばらつきを抑え、より正確な評価を可能にする。
注3. 参照電極
電気化学測定において、電位が一定に保たれる基準となる電極。測定対象の電極で生じる電気的変化を安定して評価するために用いられる。従来の電気化学センサでは参照電極を含む三電極構成が一般的であったが、構造が複雑になり、小型化や使い捨て化が難しいという課題があった。
注4. 白金ナノ粒子
直径数ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)の白金粒子。高い触媒活性と優れた電気的特性を持ち、化学反応や電荷移動を高感度に検出できる。
注5. ケミレジスタ型バイオセンサ
化学反応によって生じる材料の電気抵抗変化を検出原理とするセンサ。本研究では、酵素反応によって生じる反応生成物により電気抵抗が変化する仕組みを利用している。
詳細は以下リンクをご参照ください。
プレスリリース詳細
阿部プロジェクト(ミトコンドリア先制医療)
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