福島教授らの論文がFood Science and Technology Researchに掲載されました

【論文情報】

題目:Effect of single-boiling crystallization of high-yielding sugarcane KY01-2044 on sugar and molasses production

著者:Satoshi Ohara, Yosuke Hamada, Yoshifumi Terajima, Tetsuya Ishida, Yasunori Kikuchi, Yasuhiro Fukushima, Akira Sugimoto

【概要】

本研究では、工場規模での砂糖およびモラセス(糖蜜)生産における高収量サトウキビを原料とする一段の蒸発・結晶化プロセスの有用性を、従来のサトウキビを原料とする多段蒸発・結晶化プロセスと比較することにより、調査しました。ロールミル利用プロセスでの砂糖抽出プロセスでは、高収量のKY01-2044と従来のサトウキビ(NiF8)との間で類似した結果が得られました。サトウキビ1本あたりの砂糖の収量は、従来のシステムと比較して32.6%減少しましたが、モラセスとバガスの収量はそれぞれ143.1%と11.5%増加しました。この結果から、高収量のサトウキビの収量が従来より1.5倍高い場合、砂糖およびモラセスの収量、バガス利用発電の発電量が同時に増加する可能性が示唆されました。さらに、単一の蒸発・結晶化で得られるAモラセスは、従来のCモラセスよりも色素の付着が少なく、醗酵性と操作性が向上しています。結論として、高収量のサトウキビを原料とする一段蒸発・結晶化プロセスにより、砂糖生産を増加させると同時に、バイオ燃料やバガス由来の電力生産に適した高品質のモラセスを生成できることを示しています。