【著者】Kazuki Fukushima, Koki Yagihara, Alexander Guzman-Urbina, Hajime Ohno, Yasuhiro Fukushima
【要約】
ナノ流体は、熱媒体として使用される際に特有の熱物性により、熱伝達の向上が期待されています。ナノ流体における熱伝達を推定するための式の構築に関する報告は多数存在しますが、使用する変数の選定や式の簡略化については十分に検討されていません。適切な変数の組み合わせを選ぶことで、構造が単純で高精度な式を開発することが可能となります。
本研究では、遺伝的プログラミング、次元解析、データ分割を統合的に活用し、ナノ流体の熱伝達に関するより簡潔な式を構築する手法を提案します。この手法により、レイノルズ数とペクレ数の組み合わせが新たに選定され、レイノルズ数とプラントル数の組み合わせと比較して、式の複雑さを7.02%削減することに成功しました。さらに、流れの条件ごとにデータセットを適切に分割して式を構築することで、式の複雑さを最大36.8%削減できる一方、無作為にデータを分割した場合には複雑さが123%増加しました。