研究内容

持続可能な社会の実現に向けた技術評価

二酸化炭素正味排出ゼロの世界の実現のためには、再生可能エネルギーを使用し、植物資源、排気ガス、廃プラスチックなどを原料とする生産体系を構築する必要があると考えられます。

そこで、ライフサイクル思考に基づく技術評価の一つとして、「ライフサイクル評価(LCA)」が重要な役割を果たすことが期待されています。これは、持続可能な社会の実現に向けた技術開発事業が多く行われているなかで、二酸化炭素正味排出ゼロなどの非従来型の目的に対して、それらの事業がどの程度貢献しうるのかを確認するために使われています。各技術分野でLCAは提案時、モニタリング、ステージゲートなど様々な場面で用いられるようになっています。

本研究室では、プロセスシミュレーションや技術選択モデルの数理定式化を使って、炭素循環社会の実現に向けた技術要件を演繹的に導出し、技術を効率的に育てるためのLCAやその他技術評価の活用手法を構築することを目指しています。

次世代の社会を見据えた化学プロセス開発

SDGs(Sustainable Development Goals)やネットゼロなどといった将来達成すべき社会像に対して、「化学」は一体何ができるでしょうか。化学工業は、プラスチックなど物質材料・エネルギー生産において必要不可欠な産業です。

再生可能エネルギーを使用し、植物資源、排気ガス、廃プラスチックなどを原料とする生産体系を構築するために、世界中の研究者が研究開発を行っています。こうした新規化学技術は単体では利用されず、複数の技術を組み合わせた「プロセス」という形で利用されます。プロセスを構成しうる化学技術の組み合わせ方は膨大である一方、将来達成すべき社会像に合った組み合わせを探索する必要があります。

本研究室では、化学プロセスの設計・シミュレーションを通じて、次世代の社会を見据えた化学プロセス開発に資する手法の構築を目指しています。

主な研究テーマ